SHIMADA HOSPITAL

胃がんの早期発見について

上部内視鏡検査(胃部内視鏡検査)を行う意義としては、胃がんを早期発見するために行います。胃がんを早期に発見することのメリットは、がんの進行度(ステージ)によって治療の選択肢や生存率が大きく変わってくるため、非常に大きいと言えます。胃がんは、がんの深さやリンパ節への転移、他の臓器への転移の有無によって、ステージ0からステージIVまでの5段階に分類されます。

ステージ0(早期がん)

がんが胃の粘膜にとどまっている状態です。内視鏡手術で切除できる可能性が高く、体への負担が少ない治療で済みます。5年生存率は非常に高く、ほぼ100%です。当院ではESD(内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection))で内視鏡でがんを切除します。

ステージI(早期がん)

がんが粘膜下層または固有筋層まで広がっている状態です。内視鏡手術または手術で切除できる可能性が高く、比較的早期の治療が可能です。5年生存率は非常に高いです。

ステージII・III(進行がん)

がんが胃の壁を越えて広がったり、リンパ節への転移が見られる状態です。手術に加えて、抗がん剤治療や放射線治療が必要になる場合があります。5年生存率はステージによって異なり、ステージが進むにつれて低下します。

ステージIV(進行がん)

がんが他の臓器(肝臓、肺など)に転移している状態です。手術での根治は難しく、抗がん剤治療や緩和ケアが中心となります。5年生存率は非常に低くなります。

早期発見のメリットまとめ

治療の選択肢が広がります:早期であれば、内視鏡手術など、体への負担が少ない治療を選択できます。
根治の可能性が高まります:早期に治療を開始することで、がんを完全に治せる可能性が高くなります。
生存率が向上します:早期発見・早期治療により、長期生存できる可能性が高まります。
体への負担が少ない:早期で発見できた場合、開腹手術ではなく内視鏡での手術で済む場合があり、術後の回復も早いです。

早期発見のためには

定期的な内視鏡検査:特に40歳以上の方は、定期的に内視鏡検査を受けることをお勧めします。定期的に検査を行うことで、ほぼ全ての胃がんによる死亡は予防できます。
症状がある場合は早めに受診:胃の痛み、不快感、食欲不振、体重減少などの症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。