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内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)について
TOPICS2024.01.07
視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic Submucosal Dissection: ESD)は消化管(主に胃や大腸)の早期がんを内視鏡を用いてショベルカーのように掘削して切除する治療方法です。この方法は、内視鏡を用いてがんを切除するため体表に傷が残らず、外科手術よりも低い侵襲で治療を行うことが可能です。ESDは2006年に胃、2008年に食道、2011年に大腸で保険適応となり、現在は標準的な治療となっています。ESDは高度の技術を要する治療ですが、当院では2名の内視鏡治療医によって多くの早期がんを切除し、殆どの症例でがんの完全治癒を得ております。手術時間や入院期間は人それぞれですが、多くの方は1週間以内に退院することができ、退院後は問題なく日々の生活に復帰することが可能です。
(1)内視鏡にて粘膜表面に拡がっているがんの切除範囲を確定します。がんから数ミリ程度の安全距離をとってマーキングを行います。
(2)粘膜の下にある粘膜下層に生理食塩水などを注射してがんを浮かせます。
(3)内視鏡の先端から特殊な電気メスを出し、粘膜下層を直接はがして、がんを粘膜ごと切除します。
ただし、ESDはすべての症例に適用可能なわけではなく、病変の性質や位置、患者の状態などを考慮して適切な治療法を選択する必要があります。必ず専門医と相談して、最適な治療方法を決定するようにしましょう。